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気になる場所

鹿苑寺(金閣寺) -極楽浄土の世界-

建築士会全国大会が京都で行われ、一泊二日の小旅行をしてきました。
初日は大会への参加と研修で過ごし、二日目はせっかくの京都ということで名所めぐりをしてきました。
冬とはいえ、華やかなところ・メジャーな京都に行ってみたいと思い、そこで今回のレポートは、外国人の観光客のあいだでも人気の高い臨済宗相国寺派「鹿苑寺」(通称「金閣寺」)です。
「鹿苑寺」は室町時代3代将軍、足利義満が1396年に別荘として北山に創建されました。「金閣寺」とは、その鹿苑寺の純金の箔で覆われた華美な舎利殿「金閣」から通称となったものだそうです。高校時代の修学旅行で訪れたとはずですが、あれから30年以上がたち、すっかり当時の記憶はありません。
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木々で生い茂った神々しい参道を歩き総門をくぐり、受付を過ぎると明るく視界が開け、お天道様の陽光を受け光り輝く舎利殿「金閣」が現れます。その姿はきらびやかに池の水面に映り、まさに別世界に迷い込んだと思われるぐらいです。こんなに美しい絶景を見ると、なんとなくうれしくなってきませんか?
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下の写真は、後側からです。
逆光の写真ですが、軒裏が光の反射で柔らかく明るく輝いているようです。屋根の上の鳳凰にも金箔が貼られています。
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鹿苑寺はその豪華絢爛な建築や庭園と修景などから「極楽浄土」の世界観を表しているそうです。
いくら当時の最高権力者の将軍がその権力と贅を見せびらかす別荘だったとはいえ、600年以上も昔の時代に、理想郷への憧れや美しさを追求する心の豊かさ・余裕があったからできたのですね。日本の歴史文化の奥深さってすごいと思いませんか。
ちなみに、極楽は死後の世界で「幸福のあるところ」、浄土は「仏の国。清浄の世界」で、極楽浄土とは「西方十万億土の彼方にある苦しみや悩みから解放され理想郷」を指す言葉だそうです。あまり詳しくないので自分には説明がうまくできませんが、「苦しみや悩みを解放してくれる理想郷」極楽浄土を表現するために「美」をもって、建物や庭園、そしてそれらを構成している。こんな建築技術が日本にはあったんですね。

舎利殿「金閣」は、1950年に従弟僧に放火され焼失しました。現在のそれは1955年に再建されたものです。当時、放火犯は「美に対する嫉妬と、自分の環境が悪いのに金閣という美しい所に来る有閑的な人に対する反感からやった」と自供しています。そして、その事件は三島由紀夫の「金閣寺」の主題として取り上げられ、その中で「美への嫉妬/絶対的な物への嫉妬・・・人間最後のコンプレックスの開放が必ず犯罪に終わる」と綴られています。

by atelierKC | 2017-12-13 12:01 | 気になる場所

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by ケーシー(KC)
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